ダーツは身長(低身長・中身長・高身長)によって投げ方や作戦が違います。
背が低いから不利、高いから有利という単純な話でもありません。
本記事では、身長の高さの違いによるダーツへの影響や基準となるセッティングにについて、具体例を交えながらわかりやすく解説します。
自分の身長に合ったフォームがやセッティングが見つかれば、ダーツの精度は確実に上がり、ダーツが楽しくなります。
身長が低くてダーツをあきらめかけている方や、高いのにうまく投げられていないとお悩みであれば、ぜひ続きをご覧ください!
【図解】身長ごとのダーツへの影響
スマホでも見やすいように、身長別の特徴とセッティングを簡潔にまとめました。
身長 | 特徴 | セッティング例 |
---|---|---|
高身長 (180cm〜) |
・ブルを見下ろすか水平目線 ・リリースが遅れがち ・矢が下に行きがち ・前傾しすぎるとスタンス不安定 |
・短めシャフト ・スタンダードフライト ・前重心バレル |
中身長 (160〜180cm) |
・ブルは水平かやや高く見える。 ・日本人男子の平均身長 ・フォームの自由度高い |
・中間シャフト ・スタンダード or スリムフライト ・中央〜前重心バレル |
低身長 (〜159cm) |
・ブルもトリプルも見上げる ・山なり軌道になりやすい ・上にダーツを飛ばす努力が必要 |
・長めシャフト ・スリム or カイトフライト ・後ろ重心バレル |
身長がダーツに与える影響
日本人成人男性の平均身長は約171cm、女性は約158cm(※2023年統計データ)です。
男性の多くは「中身長(160〜180cm)」、女性の多くは「低身長(150cm台)」に該当すると考えられ、身長はフォームや視点、ダーツの軌道に大きく関わる要素です。
ソフトダーツのボードのプレイエリア(ダブルの端から端まで)の直径は約39.5cmなので、だいたい40cmとして、
- ブルの中心は床から173cm
- 天井である20ダブル(20D)の高さは、191~193cm(Dの高さの範囲が2cm)
- 20トリプル(20T)は約183.6~185.6cm
(ブルの半径約2.2cm+インナーシングル直径8.4cm+Tの高さの範囲が2cm)
※ボードのフレーム部分は考慮せず。
となるので、ターゲットの高さとプレイヤーの目線との関係が、狙いやすさやミスの傾向に直結します。
以下では、身長別に「どう見えるか」「どう飛ばしやすいか」を整理して解説します。
1. 視点の高さと狙いやすさ
- 高身長(180cm以上)のプレイヤー
・視線の高さ:約175〜185cm
・ブル(173cm):やや見下ろす視点で狙いやすい
・T20(約183.6cm):目線と同じ〜やや上にあり、自然な角度で狙える
・20D(約191cm):やや見上げる位置に見える
・視線が高いため、肘と腕が90度になる前にリリースしづらく、軌道が下向きになりやすい
・前傾しすぎるとバランスを崩しやすいため、スタンスを広めに取り、重心を下げる意識が必要 - 中身長(160〜180cm)のプレイヤー
・視線の高さ:約150〜170cm
・ブル(173cm):ほぼ目線と同じ高さで狙いやすい
・T20・20D:やや見上げる視点になる
・フォームの自由度が高く、個人差が出やすい身長帯
・ブルは肘と腕が90度になる位置で自然にリリースできる
・T20や20Dは、テイクバック後に早めのリリースで上方向にダーツを飛ばす意識が有効 - 低身長(〜159cm)のプレイヤー
・視線の高さ:約135〜145cm
・ブル(173cm):明確に見上げる視点になる
・T20・20D:頭上にあるように見え、見上げて狙う必要がある
・自然と山なりの軌道になりやすいため、ダーツを上に飛ばす意識が重要
・肩・ヒジの高さやリリース角の調整がシビアになりやすい
・テイクバック直後にリリースを始めることで、高さを出しやすくなる
・前傾しすぎると目線が下がり、ダーツが低く飛びがちなので注意
・19Tなどブルより下のセグメントは目線と水平に近く、狙いやすい場合もある
2. スタンスと重心の違い
- 高身長のプレイヤー
・重心が高いため、前に倒れすぎると不安定になりやすい。
・スタンスは広めに取り、膝は力を抜いて軽く曲げつつ後ろ足で体がブレないようにバランスをとるのがポイント。
・膝を曲げすぎると疲れやすくなるので、あくまで気持ち程度。 - 中身長のプレイヤー
・フォームの自由度が高く、安定感を出すにはバランスの良い姿勢作りが大切。
・直立かやや前傾姿勢で、自然な状態を保つのが基本です。
・投げやすさを重視し、無理のない姿勢で力を伝えましょう。 - 低身長のプレイヤー
・安定した姿勢は取りやすいが、後傾しすぎると力が伝わりにくい。
・前足にしっかり体重を乗せることで、矢に力を効率よく伝えられます。
・直立だけど利き足に重心を。高身長プレイヤーのように前傾姿勢をとると目線が下がって、ダーツを上に飛ばせなくなるので注意!
身長に合わせたセッティングの工夫
身長はダーツの飛び方やフォームに影響します。
シャフトの長さ、フライトの形状、バレルの重心位置を体格に合わせて調整するとパフォーマンスが上がります。
ここでは、身長別にあったセッティングを紹介します。
1. シャフトの長さ
- 高身長(180cm以上)のプレイヤー向け:
短めのシャフトを使うと、手の動きがコンパクトになりフォームが安定しやすいです。
前傾姿勢が強くなりすぎないように注意しながら、自分に合った長さを試してください。 - 中身長(160cm〜180cm)のプレイヤー向け:
標準的なシャフトから始めて、フォームや投げやすさに合わせて微調整するのがおすすめです。
バランスが取りやすく安定した飛びを作りやすい身長帯です。 - 低身長(150cm台)のプレイヤー向け:
やや長めのシャフトを試すと、ダーツを遠くに飛ばしやすく、力の伝わりも安定しやすくなります。
フォームの自由度を保ちつつ調整してみてください。
2. フライトの形状
- 高身長のプレイヤー:
目線が高いためダーツが水平気味に飛びやすい傾向があります。
空気抵抗の大きいスタンダードフライトで安定させるのが基本ですが、軽めのスリムタイプを試してみて感覚を掴むのも良いでしょう。 - 中身長のプレイヤー:
スタンダードフライトが扱いやすいですが、飛びの感覚を変えたい時はスリムフライトも選択肢に入れてみてください。 - 低身長のプレイヤー:
自然にブルを見上げる角度になるため、山なりの軌道になりやすいです。
空気抵抗の少ないスリムフライトやカイト型を使うことで、飛びすぎを抑えコントロールしやすくなります。
ただし、低身長でもスタンダードフライトで結果を出すプロも多いので、まずはスリムから始めて、スタンダードまで試しながら自分に合ったものを探すのが良いでしょう。
3. バレルの重心位置
バレルの重心は、バレルで一番膨らんでいる部分のあたりと考えて問題ありません。ストレートタイプのバレルは、バレルの中央付近に重心があることが多いです。
- 前重心バレル: バレルの先端側(チップ側)に重さが偏っているタイプです。リリース時に前方向への推進力が得やすく、安定した飛行軌道を作りたいプレイヤーに向いています。
- 中央重心バレル: 持ったときにバレルの中心あたりで重さを感じ、バランスが良く安定感があります。ストレートタイプのバレルによく見られます。
- 後ろ重心バレル: バレルの後ろ寄り(グリップエンド側)が重く感じられるため、リリース時にスムーズに力を伝えやすい特徴があります。腕をプッシュするイメージで投げるプレイヤーにおすすめです。
次に、身長別で試してみると良いバレルについて説明します。
- 高身長(180cm以上)のプレイヤー向け:
まずは前重心のバレルから試してみましょう。
体が大きく腕も長いため、前に押し出す力が強くなりやすく、前重心のバレルで力を効率よく伝えやすくなります。
リリース時にも安定した飛びが得られます。 - 中身長(160cm〜180cm)のプレイヤー向け:
重心が中央に近いストレートタイプは、バランスが良く安定感があるため、多くのプレイヤーに使いやすいです。
やや前重心のバレルは、前への推進力が強くなるため、しっかり押し出す投げ方を好む方に向いています。
自分のフォームや投げ方に合わせて、この2タイプから試すと良いでしょう。 - 低身長(150cm台)のプレイヤー向け:
後ろ重心のバレルを使うと、リリース時に上方向への力が伝わりやすくなり、山なりの軌道を安定させるのに役立ちます。
ブルを見上げる視点になることで、自然とダーツを上に向かって投げる意識が働くため、後ろ重心の設計がフォームに馴染みやすい傾向があります。
まずは後ろ重心のバレルから試してみて、そこから自分に合う重心位置を見つけていくのがおすすめです。
まとめ
体型を理解することは、ダーツ上達の第一歩です。
本記事を読んでいただいて、身長が高いから有利、逆に身長が低いから不利と決めつけず、自分の身長を武器として活かすフォームやセッティングで、理想的なダーツが打てるものと感じていただければ幸いです。
ダーツのセッティングについて、ほかにもおすすめの関連記事でお伝えしていますのでそちらも一度読んでいただけるとより理解が深まります!