本記事では、ダーツの横ブレを引き起こす原因と改善のしかたを、15項目に分けて丁寧に解説しています。
ダーツが左右にブレる=横ブレ(横ズレ)が起こる原因は意外と多いのですが、適切に改善していくことでダーツの精度が大きく向上します。
内容はかなりボリューミーなので、時間がない方は、ダーツが左右にブレる原因と改善方法15選(図解)をご覧いただくだけでも概要を理解できるようにしました。
- ダーツの左右にブレる原因と改善方法15選(図解)
- ダーツが横ブレする原因と改善方法14選
- 横ブレの原因①:スタンスが安定しない
- 横ブレの原因②:狙う場所に目線が定まっていない
- 横ブレの原因③:セットアップからリリースまでの動作が速すぎる
- 横ブレの原因④:ダーツを持ち替える時に体が動く
- 横ブレの原因⑤:ダーツを強くグリップしすぎ
- 横ブレの原因⑥:テイクバックのズレ
- 横ブレの原因⑦:ダーツをリリースするタイミングが遅い
- 横ブレの原因⑧:投げる瞬間に体がグラついている
- 横ブレの原因⑨:肘が横に動いている
- 横ブレの原因⑩:腕を真っ直ぐ振れていない
- 横ブレの原因⑪:腕を振る軌道がバラバラ
- 横ブレの原因⑫:手首のスナップだけで投げようとしている
- 横ブレの原因⑬:手や指先で矢をコントロールしている
- 横ブレの原因⑭: ダーツのセッティング(バレル・フライト・シャフト)の影響
- 横ブレの原因⑮:投げるリズムが毎回バラバラ
- まとめ
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ダーツの左右にブレる原因と改善方法15選(図解)
原因 | 説明 | 改善法 |
---|---|---|
①スタンスが安定しない | スタンスが不安定だと重心が揺れて、腕や手の動きにも余計な影響が出る | スタンスの統一 後ろ足の位置調節 |
②狙う場所に目線が定まっていない | ダーツに目線がつられて肩や腕も動いてしまう。 | 投げ終わるまで的の狙った場所に目線を固定 |
③セットアップからリリースまでの動作が速すぎる | セットアップからリリースまでの動作が速すぎると動きをコントロールできない | ゆっくりとした動きでセットアップからリリースまでをコントロール |
④ダーツを持ち替える時に体が動く | 脇が開いてしまい、体のバランスが崩れる | ダーツの持ち替えは、手と腕の動作だけで完結する |
⑤ダーツを強くグリップしすぎ | 「しっかり持たなければ矢を落とす」という思い込み | 手の力を抜き、ダーツは指の間に挟むだけ |
⑥テイクバックのズレ | 引く動作にブレがあると戻しもブレる | 決めたリリースポイントをダーツが通過するためにテイクバックのリズムとスピードは一定にする |
⑦リリースのタイミングが遅い | リリースが乱れているときは、フォロースルー後の手の位置が毎回変わっている | セットアップで決めた位置でダーツが指から抜けていく感覚を覚える |
⑧投げる瞬間に体がグラついている | 体軸を不安定にし、腕の振りまでブレてしまう原因に | 「投げる瞬間だけは止まる」というルールを自分に課す |
⑨肘が横に動いている | 肘が横に動けば、腕はまっすぐに振れず、ダーツを押し出す方向もズレる | 構えながら肘の真下に棒が通っているイメージ |
⑩腕を真っ直ぐ振れていない | 腕の動きが真っ直ぐ振れていないとダーツの飛行方向が安定しない | 肘が曲がらないように、ゆっくりと腕を振る |
⑪腕を振る軌道がバラバラ | 腕を振る軌道がバラバラということは、「ダーツを前に押し出す動き」がバラバラ | まずはいつものスピードの半分で腕をゆっくり振りながら自分の腕の通り道を意識。 |
⑫手首のスナップだけで投げようとしている | 「腕全体を使うフォーム」の感覚がまだ身についていない。 | 手首のスナップは無理に使うものではなく、自然な動きの結果として起こることを理解 |
⑬手や指先で矢をコントロールしている | セットアップ時に決めたリリースポイントよりも、リリースが早すぎたり遅すぎたのを無理やり手先でコントロールしようとする | 「手で投げる」のではなく、「腕でダーツを運ぶ」という意識で練習 |
⑭セッティング(バレル・フライト・シャフト)の影響 | ダーツの重心や形状が合っていない | 道具の見直し。フィットするセッティングを探す |
⑮投げるリズムが毎回バラバラ | 投げるリズムが安定していないと、無意識のうちにフォームや力加減にバラつきが生まれ、同じように投げているつもりでも、ダーツが右にズレたり左にブレる。 |
|
ダーツを投げると縦にブレるという方は、
ダーツの縦ブレ(縦ズレ)は角度のせいだった!安定して狙える投げ方のコツも合わせてお読みいただくことで、ダーツのブレへの理解がより深まるはずです。
ダーツが横ブレする原因と改善方法14選
横ブレの原因①:スタンスが安定しない
なぜ横ブレにつながるのか?
スタンスが不安定ならば、体のバランスが崩れやすくなります。
投げるたびに手の位置や角度がズレるので、ダーツが正しい軌道を描けず、横にブレてしまいます。
スタンスは「オープン」「クローズド」「ハーフ」の3種類がありますが、どのスタンスでも足の置き方によっては体勢が不安定になり、横ブレの原因になることがあります。
なぜそうなってしまうのか?
- 投げるたびに立つ位置を調整するのに気を取られている。
- ハーフスタンスは両足の位置が一定になりにくい。
- オープンやクローズドでは、後ろ足で支えないと反動で体がぶれやすくなる。
どうすればうまくいく?
- スタンスを3つのどれか一つに統一する: 常に同じスタンスを使うことで体の軸が安定し、スローの再現性が高まります。
- 足の位置に注意する: 両足の位置を毎回同じようにセットし、安定した足幅で構えるようにしましょう。
- フォームをチェック: 投げる前から体が揺れているのは、スタンスの位置が合っていない可能性があります。前足を固定し、後ろ足の位置を少しずつ調整しながら、体が揺れないポイントを見つけましょう。
物理的に見ると?
スタンスが不安定だと重心が揺れて、腕や手の動きにも余計な影響が出ます。その結果、リリースの角度や方向にバラつきが生じ、横ブレが発生しやすくなります。
スタンスについては、ダーツの投げ方が安定しないからスタンス(立ち方)を変えてみた結果の記事も合わせて読んでいただければ、より理解が深まります。
横ブレの原因②:狙う場所に目線が定まっていない
どうして横ブレにつながるのか?
目線が定まっていないと、体や腕もブレます。
目の向きにつられて肩や腕の動きもズレて、横ブレの原因になります。
なぜ目線がブレるの?
- セットアップ時に狙う場所を確認していない。
- 投げる途中でダーツや腕などに目線が行き、的から目がそれてしまう。
どうすればよくなる?
- 目線の固定:狙う場所を決めたら、投げ終わるまで目線を的から動かさない。
- テイクバック中も目線を狙う場所に固定。
身体のしくみから考えると?
人は目線の方向に体が動きやすい性質があります。 目線がズレた方向へ手や体もつられて動きやすくなり、ダーツが横にブレる原因になります。
狙った場所を見ている間も、手や腕の動きは視界に入るので調整はできるのです。
横ブレの原因③:セットアップからリリースまでの動作が速すぎる
なぜ横ブレにつながるのか?
セットアップからテイクバック、リリースまでの一連の動作が速すぎると、自分で動きを細かくコントロールしにくくなります。
ダーツは速く投げればいいというものではなく、
狙った方向へしっかり力を伝えることが大切です。
動きが速すぎることで軌道やリリースのタイミングが乱れ、結果として横方向へのブレが目立ちやすくなります。
ただ効率よくスピードを上げるのではなく、コントロールできる範囲の速さで投げることが安定への近道です。
なぜ動作が速くなってしまうのか?
- 緊張していてリズムが崩れている。
- 「力で飛ばさなきゃ」と思って、無意識に速く振っている。
- 周りの上手な人を真似して、スピードを意識しすぎている。
- 距離を飛ばそうとしすぎて、必要以上に加速してしまう。
こうした動作は、自分の体の動きや反応の限界を超えてしまい、フォームが崩れる原因にもなります。
改善するには?
- ゆっくりとした動きでフォームを固める練習:最初はあえて動作をスローにして、リリースのタイミングやフォームを丁寧に確認しましょう。
- 動画で自分のフォームをチェック:自分では気づかないほど速くなっていることも多いので、客観的に見ることで改善点が見つかります。
物理的に見ると?
セットアップからリリースまでの動作が速くなるほど、腕の加速度が大きくなり、指先にかかる慣性の力も強まります。
この状態では、ほんのわずかなリリースのズレでも、ダーツの飛び方に大きな違いが出てきます。
投げる速さではなく、「いつ、どこで、どう放すか」の精度が、横ブレを防ぐうえで非常に重要なのです。
横ブレの原因④:ダーツを持ち替える時に体が動く
なぜ横ブレにつながるのか?
左手から右手にダーツを持ち替えている時、脇が開いたり、体が動いていませんか?
持ち替えのときに、締めていた両脇が開いてしまい、体のバランスが崩れることで次のスローに影響が出ます。特に3本目の持ち替えが最も崩れやすいです。
なぜ体がぶれるのか?
- 持ち替え動作に慣れていない。
- 脇が開いてしまい、体のバランスが崩れる。
- 目線がターゲットから外れて下を向く。
- リズムが崩れ、投げる動作全体に影響が出る。
どうすればよくなる?
- 慣れ:ダーツを見ずに持ち替える動作に慣れるまで練習。
- 目線固定:持ち替え中も目線は常に狙う場所に固定する。
- 脇を締める:3投目まで脇を締める意識を持ち、体は動かさない。
物理的に見ると?
ダーツの持ち替えは、手と腕の動作だけで完結すべきです。
ところが、持ち替えの瞬間に脇が開いたり、ダーツを見るために目線が下に落ちると、姿勢全体が崩れ、力の伝達にズレが生じてダーツの横ブレにつながります。
人の体は、姿勢が崩れると、ごくわずかな筋肉の使い方や力のかかり方が変わります。
こうしたズレは、手の軌道やリリースのタイミングにも影響を与え、狙ったラインから外れる原因になります。
ダーツのような繊細な競技においては、持ち替え中であっても目線と姿勢を保つようにしましょう。
ダーツの持ち替え方法については、ダーツの持ちかえにもリズムと安定をの記事でも解説しているので、合わせて読んでいただくとさらに理解が深まります。
横ブレの原因⑤:ダーツを強くグリップしすぎ
なぜ横ブレにつながるのか?
ダーツを握りすぎると、手に力が入りすぎて、指先がダーツのリリースを邪魔することで横ブレします。
なぜそうなってしまうのか?
-
緊張で手に力が入る:試合や対人戦では無意識に手がこわばりやすくなり、グリップも強くなりがちです。
-
「しっかり持たなければ矢を落とす」という思い込みからくる握りすぎ:実際には、ダーツに軽く指を添えるだけでも落ちませんが、初心者ほど「しっかり持たないと不安」と感じてしまいます。
どうすればよくなる?
-
まず手の力を抜く: ダーツを持った時に矢の重さを感じれるくらい手の力を抜いてみましょう。
-
ダーツは手に挟むだけ:握るのではなく、軽く挟む感覚で持つことを意識しましょう。テイクバックやリリースも自然になり、横ブレを防げます。
ダーツのグリップは握りこまず、指の間にはさむだけ。の記事でダーツのグリップについて詳しく説明していますので合わせてよんでいただくとより理解が深まります。
物理的に見ると?
強く握ることで手首や肘に余計な筋肉の緊張が生まれ、スロー中の力の伝わり方が不安定になります。
特にリリース時、指先に無意識の力が加わり、ダーツにも微妙な横方向の力が加わることで横ブレしやすくなります。
横ブレの原因⑥:テイクバックのズレ
なぜ横ブレにつながるのか?
正確には腕をテイクバックしてからリリースポイントまで戻すまでの動作のズレです。
テイクバックで手や肘が左右にぶれると、リリースまでの腕の軌道が乱れ、ダーツが横に飛ぶ=横ブレが発生します。
どうしてブレるのか?
- 肘や肩の位置が安定していない。
- 後ろにダーツを引きすぎて肘がズレる。
- テイクバック&リリースのリズムが毎回違う。
- セットアップ時に決めたリリースポイントを矢が通過していない。
改善するには?
- 鏡の前でテイクバックの軌道をチェックする:自分の手がまっすぐ後ろに引けているかを鏡で確認します。
- 毎回同じリズム・スピードでテイクバックする練習:決められたリリースポイントをダーツが通過するためにテイクバックのリズムとスピードは一定にした方が再現性が高くなります。
最初からテイクバックした状態で投げる方は、リズムをとってリリースすると再現性が高くなります。 - 肘を支点として安定させる:テイクバック中、肘を固定することで軌道が安定しやすくなります。
物理的に見ると?
テイクバックは、リリースの方向や力の流れを決める「準備」の動作です。
この時点でズレがあると、そのまま投げたときに、ダーツが思った方向へ飛んでくれません。
特に角度や深さが毎回違うと、飛び出すスピードや向きもバラつき、ダーツの横ブレにつながります。
横ブレの原因⑦:ダーツをリリースするタイミングが遅い
なぜ横ブレにつながるのか?
ダーツのリリースが遅れると、予定していたタイミングを逃し、無意識に手で調整しようとします。結果、ダーツが横に弾かれたり、押し出す力が途中でズレたりして、横ブレが発生します。
実際、リリースが乱れているときは、フォロースルー後の手の位置が毎回変わっていることが多く、ブレの証拠になります。
なぜリリースが安定しないのか?
- グリップに力が入りすぎている。
- リリースのタイミングが毎回ズレている。
- リリース時に手首や腕がねじれている。
- フォロースルーが途中で止まっている。
どうすればよくなる?
- リリースタイミングを一定にする練習:セットアップで決めた位置でダーツが指から抜けていく感覚を覚える。
- グリップは脱力、リリースは集中:グリップ中は手に力を入れず、指先で“そっと添える”程度にし、リリース時にだけ最小限の力で前に押し出す。この力の切り替えが安定感に繋がります。
物理的に見ると?
ダーツの軌道は、リリース時の力の方向・量・角度で決まります。
リリースの瞬間に親指・人差し指・中指のどれかが強く働きすぎると、ダーツが横に逃げるように飛んで横ブレが発生します。
軽いダーツは、ちょっとしたことで飛び方が変わるため、リリースの正確さが求められます。
横ブレの原因⑧:投げる瞬間に体がグラついている
投げる瞬間に体がわずかでもグラついていると、リリースのタイミングや腕の軌道がズレてしまい、ダーツが横にブレてしまいます。
なぜ体が動いてしまうのか?
- スタンスが不安定
- 足の力の入れ方が偏っている(重心がブレている)
- 全身に力が入りすぎている(力み)
- 前傾しすぎている
これらはすべて体軸を不安定にし、腕の振りまでブレてしまう原因になります。
どうすればよくなる?
- スタンスの安定化:利き足だけでなく、後ろ足も使って体をしっかり支える
- 三点バランスの意識:利き足の足裏(親指・小指・かかと)でバランスをとる
- 深呼吸で脱力:投げる前に一度呼吸を整え、体の余計な力を抜く
- 「投げる瞬間だけは止まる」というルールを自分に課す
- 鏡や動画でチェック:実際にどれだけ動いているかを可視化する
物理的に見ると?
人の体は立っているだけでもわずかに揺れていますが、投げる瞬間に揺れが大きいと、力の伝達が乱れてしまいます。
本来、地面(足裏) → 足 → 体幹 → 肩 → 肘 → 手 → ダーツという順番で力が伝わります。
ところが、体がグラついてしまうと「力の通り道」がズレてしまい、ダーツに真っすぐな力が乗らなくなるのです。
横ブレの原因⑨:肘が横に動いている
どうして横ブレにつながるのか?
テコに例えると肘はダーツを投げるための「支点」となります。
投げた勢いで腕が伸びるため、肘が自然に跳ね上がるのは問題ありませんが、
肘が横に動けば、腕はまっすぐに振れず、ダーツを押し出す方向もズレてしまいます。
テイクバック&リリースによる「前後」の直線的な動きでダーツを押し出さなければならないのに、
肘が左右に動くことで、腕を振る軌道やリリース位置まで変わってしまい、ダーツが横ブレしてしまうのです。
なぜ肘が横に動いてしまうの?
- リリース時に「力を入れる」クセがある
- 矢を投げる時に肩や体ごと動かしている
- テイクバックからの戻しが一直線になっていない
- セットアップ時に構えた位置でリリースをしていない
などがあげられます。
肘がブレている状態とは、ダーツを安定して投げる「支点」がフラフラしているということ。
まるで、どこに開くかが毎回違うヒンジの緩んだドアのようなものです。
どうすればよくなる?
- 「肘の支点」を意識する:テイクバックからリリースまで、肘が固定されているか、鏡か自撮りの動画でチェックしましょう。
逆にリリース後は勢いで肘が上に跳ね上がっていないと腕は構造上真っすぐには伸びない仕組みになっています。 - 肘の真下に棒が通っているイメージ:肘が固定されて、ダーツが左右に流れにくくなります。
物理的に見ると?
肘が横に動くと、腕は斜めに傾き、矢にまっすぐな力が加わらず、ダーツは斜め方向に飛びやすくなります。
ダーツはボールのようにはカーブしません。
「支点から前方へ、直線的な力で押し出す」ことで、一直線に飛ばす設計になっているので、
肘(支点)が横にブレれば、力が横に逃げてしまい、意図しない方向に飛んでしまうのです。
肘がブレてしまう方向けに、ダーツハイブ ではこんなサポーターも売っています。
腕に装着すると半強制的にテイクバックからフォロースルーまで真っすぐブレなく腕が振れるのでお勧めです。
冬場はアームウォーマー代わりになるので、プロも試合で肘を温めるために重宝しているアイテムです。
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横ブレの原因⑩:腕を真っ直ぐ振れていない
どうして横ブレにつながるのか?
腕の動きが真っ直ぐ振れていないとダーツの飛行方向が安定しません。
腕の振りがズレると、リリース時にダーツが横方向にずれて、横ブレが発生します。
なぜそうなってしまうのか?
-
腕がブレる:腕を真っ直ぐ振ろうとしても、無意識に肩から先が左右にずれることがあります。
-
感覚と実際の動きのギャップ:感覚的には真っ直ぐ投げているつもりでも、実際は肩から先が曲がっているなど、ブレた動きをしていることが多いです。
どうすればよくなる?
腕を真っ直ぐに振るためにも、できるだけゆっくりと腕を振るようにしましょう。
力強く振る分だけダーツに無駄な力がかかりやすくなるため、ブレ幅も大きくなるからです。
物理的に見ると?
腕が真っ直ぐでないということは、肘も曲がっているため、リリースの角度が狂い、ダーツが不安定な方向に飛び、横ブレを引き起こす原因となります。
腕の軌道を安定させることが、ダーツの飛行方向を安定させる鍵です。
横ブレの原因⑪:腕を振る軌道がバラバラ
どうして横ブレにつながるのか?
腕を振る軌道がバラバラということは、
「ダーツを前に押し出す動き」がバラバラなので、ダーツが毎回違う方向へ飛んでしまいます。
例えば野球でボールを投げるとき、毎回違う腕の振り方をしていれば、ストライクゾーンに投げられないのと同じで、
ダーツで腕の振り方が毎回違えば、ブルに狙って入れられなくなります。
まずは投げ終えた後の腕や手の動き=フォロースルーを観察することで、腕を振る軌道がバラバラなのに気づくようにしましょう。
どうして毎回バラバラになるの?
- セットアップの時点で肘が曲がっている。
- 「まっすぐ振っているつもり」でも、実際は肘が曲がっている。
- リリースに集中しすぎて、その後の動きが適当になっている。
- リリースが遅いせいで、手で無理やり修正しようとしている。
どうすればよくなる?
- 腕をゆっくりと振る: 腕をゆっくり振りながら自分の腕の通り道を意識できます。まずはいつものスピードの半分で。
- リリース後のフォロースルーの位置をチェックする: 例えば、「ダーツを投げた後、人差し指がターゲットを指しているか」など。
- 動画を撮って確認する: カウントアップ1ラウンド分のショート動画を撮るだけでも、自分の感覚と実際のズレがよくわかります。
物理的に見ると?
腕の動きは振り子のように前後に振れることが理想です。
もし腕の振りが毎回微妙に違い、途中で曲がったりねじれたりすると、矢に横向きの力を加えてしまい、矢が狙った場所に対して横ブレして刺さる原因となるのです。
横ブレの原因⑫:手首のスナップだけで投げようとしている
なぜ横ブレにつながるのか?
手首のスナップだけでダーツを飛ばそうとすると、リリース時に力が不安定に加わり、ダーツが左右にブレる原因になります。
無理にスナップを使おうとすると、腕の軌道がズレやすくなり、毎回同じ飛び方になりません。
安定したスローには、小手先の動きだけでなく、体全体の動きが必要です。
なぜそうなってしまうのか?
- 手首のスナップが「正しい投げ方」だと思い込んでいる。
- 指先の感覚でコントロールしようとして、手首の動きに頼りすぎている。
- 「腕全体を使うフォーム」の感覚がまだ身についていない。
- 他のプレイヤーがスナップを多用しているのを見て、ただ真似した。
どうすればよくなる?
- リラックスして腕を振る:無理なく自然な動きを意識しましょう。
- 体全体を使って投げる意識:手首だけでなく、肩や体の動きも連動させてスローを組み立てます。
- 手首のスナップは無理に使うものではなく、自然な動きの結果として起こることを理解しましょう。
身体のしくみから考えると?
手首の筋肉は細くて疲れやすいため、手首がブレればダーツの再現性が落ちて、安定したスローが難しくなります。
逆に、腕や体全体の流れで投げると、力のバランスが安定しやすく、横ブレも少なくなります。
横ブレの原因⑬:手や指先で矢をコントロールしている
どうして横ブレにつながるのか?
ダーツを手や指先でコントロールしようとすると、矢が離れる瞬間(リリース)が毎回微妙に変わってしまいます。
ダーツは、ほんの少しでも指先に引っかかったり、指が開くタイミングがずれると、縦や横にブレて飛んでしまうのです。
なぜ手でコントロールしようとしてしまうのか?
- セットアップ時に決めたリリースポイントよりも、リリースが早すぎたり遅すぎたのを無理やり手先でコントロールしようとするため
- 腕のスイングではなく、手先や手首だけでダーツを飛ばそうとしているため
- グリップの力が強すぎるため
- 指先の器用さに頼って、無理やり軌道を修正しようとしているため
これらは、「ダーツは手で飛ばすのではなく、体全体の連動で飛ばすものだ」という感覚がまだ身についていない段階でよく見られるミスです。
どうすればよくなる?
- 腕のスイングで飛ばす感覚を覚える:「手で投げる」のではなく、「腕でダーツを運ぶ」という意識で練習してみましょう。
- 指はダーツに添えるだけ:持つというより「添えるだけ」が理想です。腕をスイングすることで、自然にダーツが抜けていく感覚を目指しましょう。
- 指を開くタイミングは意識しない:スローモーションで投げると、「いつの間にか指が開いていた」と感じるような、自然なリリースが身につきやすくなります。
物理的に見ると?
リリースとは、矢が指から滑り出す瞬間のことです。
指が左右どちらかに余計な力を加えてしまうと、リリース時に矢の直進に「横方向の力」が乗ってしまい、狙いからズレて飛んでしまいます。
手先で調整しようとするのは、野球でいえば「ボールをスナップだけで投げる」ようなもの。再現性も安定感も低くなってしまいます。
リリースの安定化については、プロも実践!ダーツのリリースが安定しない人のための再現性アップ術の記事でさらに詳しく解説しています。
横ブレの原因⑭: ダーツのセッティング(バレル・フライト・シャフト)の影響
なぜ横ブレにつながるのか?
バレル・フライト・シャフトの組み合わせが自分の体格や投げ方に合っていないと、ダーツの飛行が不安定になり、横ブレを引き起こします。
たとえば、バレルが軽すぎたり、フライトが大きすぎたりすると、ダーツの飛行中に余計な力がかかり、横方向にズレが生じやすくなります。
なぜそうなってしまうのか?
- バレルが重すぎると、手首や腕への負担が増えてリリースが安定しません。
- フライトが大きすぎると、空気抵抗の影響でダーツが飛行中に左右に揺れやすくなります。
- シャフトが長すぎると軌道が安定せず、テイクバック時に顔に当たるようであれば長さが合っていない証拠です。
どうすればよくなる?
- バレルは軽めのものを試してみる。
- フライトの大きさ・形を見直す。
- シャフトの長さを変えて、安定するポイントを探す。
物理的に見ると?
合わないセッティングは、リリース時にダーツへ不安定な力を加え、飛行中の軌道に影響を与えます。特に重さや空気抵抗の不均衡が原因で、横ブレが起こりやすくなります。
詳しくは今さら聞けない!?ダーツのセッティングの考え方と基本についての記事でもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
横ブレの原因⑮:投げるリズムが毎回バラバラ
どうして横ブレにつながるのか?
投げるリズムが安定していないと、無意識のうちにフォームや力加減にバラつきが生まれます。
その結果、同じように投げているつもりでも、ダーツが右にズレたり左にブレたりしてしまうのです。
なぜそうなってしまうのか?
- セットアップ~リリースまでの動作スピードが毎回違う
- 構えに入るタイミングや呼吸が安定していない
- 焦って投げたり、逆に間を空けすぎて集中が切れる
どうすればよくなる?
- ルーティンを決める: セットアップ → テイクバック → リリースの流れを毎回同じテンポで行う
- 呼吸を意識する: 呼吸を止めると緊張が増してリズムが乱れやすくなるため、自然な呼吸をキープ
- 1本目の矢は“確認の1投”にする: 緊張して手元が狂いやすい最初の1本目は、
狙いに行くよりも「いつも通りのフォームとリズムで投げること」を意識してみましょう。2本目・3本目のリズムも安定しやすくなり、横ブレのリスクを減らせます。
動作的に見ると?
タイミングがズレる=フォームが再現されにくくなるということです。
フォームが毎回変われば、ダーツにかかる力の方向も変わり、狙いより左右にズレて飛んでしまう可能性が高くなります。
まとめ
ダーツの横ブレ(横ズレ)は、さまざまな原因から生じますが、その多くは体の使い方やフォームの微細な違いに関わっています。
原因を理解し、適切に対処することで、安定した投げ方を手に入れることができます。
今回ご紹介した15項目を意識して練習し、日々改善を重ねることで、精度と自信が増していくでしょう。
1万文字以上の長文を最後までお読みいただきありがとうございました!
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