「ダーツのセッティングって、どれも似たようなもんでしょ?」
そう思って何となく使い続けているバレルやフライト。でも最近、
- 矢が思ったより浮く/落ちる
- グルーピングが安定しない
- 以前より飛びが鈍く感じる
そんな違和感が増えてきたら、自分に合っていないセッティングかもしれません。
とはいえ中級者になってからは、誰かに聞くのもちょっと恥ずかしい――
この記事では、今さら聞けない「ダーツのセッティングの基本」と、見直すべき考え方について、丁寧に解説します。
まずは、「そもそもなぜセッティングを見直す必要があるのか?」という根本から、一緒に考えていきましょう。
なぜダーツセッティングを見直すのか?
ダーツが上達してきたら、フォームやリリースの改善に目が向くようになりますよね。
でも、それと同じくらい大事なのが「セッティングとの相性」です。
Bフライトくらいの段階だと、まだフォームの再現性が安定しづらくて、ちょっとしたズレがミスに直結しやすい時期。
だからこそ、セッティングがミスをカバーしてくれるかどうかが、スコアにかなり影響するんです。
毎回ちゃんと同じように投げてるつもりなのに、やたら矢が沈む・流れる……
そんなときは、フォーム以外にも「フライトの形」や「重心バランス」などが関係してることも。
「セッティングなんて好みの問題でしょ?」と思っている人ほど、合ってないセッティングに気づかずに、ずっとスランプにハマっちゃう…なんてことも少なくありません。
だからこそ、今の自分の投げ方に合ったセッティングをちゃんと見直すことが、安定したスコアを出すためには大事なんです。
ダーツのセッティングを変えると何が変わるのか?
セッティングを変えると、思っている以上にいろんな変化が出てきます。
特にBフライトを抜け出したい人にとっては、次のような変化がすごく大きな意味を持ちます。
- ダーツフォームの再現性が上がる
- 無理な力を使わず、自然に投げられる
- ダーツの軌道が安定し、まとまりやすくなる
- 気持ちよくリリースでき、疲れにくくなる
なかでも注目したいのが、脱力して投げられるかどうかというポイント。
Bフライトの頃によくある「力んでリリースがバラバラになる」問題も、セッティングを少し変えるだけでグッと改善することがあります。
たとえば、ちょっと重めのバレルに変えるだけで手元の重さを感じやすくなり、リリースのタイミングが取りやすくなることも。
逆に軽すぎるバレルだと、ダーツを持ってる感覚が薄れてしまって、つい力でコントロールしようとしてしまい、かえって力みが増してしまうんです。
今更聞けない!?パーツごとの役割
バレル:投げ方に合った重心を
バレルはダーツの“核”となる部分で、セッティング全体重量の中心となります。
重さや形状、カットの種類によって、手に伝わる感触や飛び方が変わります。
たとえば18gのバレルに重めのシャフト(1.5g)とフライト(0.8g)、ロングチップ(0.9g)を組み合わせると、トータルで21〜22g近くになります。
軽すぎると手投げになりやすく、重すぎるとリリース時に腕に負担がかかります。
また、重心が前寄りか後ろ寄りかで、飛びの軌道や安定感も変化します。
ダーツの核とお伝えした通り、人によっては今までの投げ方が通用しなくなることも多いパーツなので、入れ替えるのは最後にするのをおススメします。
シャフト:長さと重さが飛びを操る
シャフトの長さと素材で、ダーツの飛び方や重心が変わります。
-
短いシャフト:ダーツの重心が前寄りになり、直線的に飛びやすい
-
長いシャフト:重心が後ろ寄りになり、ゆったりとした軌道になりやすい
重さにも注目してみましょう。
-
プラスチック製:約0.7g〜1.3g
-
カーボン製:約1.5g
-
アルミ製:約2g以上
この数グラムの違いでも、重心や飛びに変化が出ます。リリースが安定しない人は、シャフトの重さを変えるだけでしっくりくることもあります。
長いシャフトをつけると、当然ダーツ全体が長くなりますので、
テイクバックが深い=肩のほうまでダーツを引いてくる人だとフライトが肩や顔に当たってしまいます。
テイクバックの深さに合わせてフライトの長さを調節しましょう。
筆者の場合は、ダーツの飛びに角度をつけるためにテイクバックが深くなるので、
短いシャフトを選択する、という事になります。
カーボンやアルミのシャフトのほうが値段は少々はるものの、プラスチックよりも断然丈夫で、折れにくいのが特徴で、筆者はカーボンシャフト を愛用しています。
長さによって、ダーツ全体の重心が変わるパーツなので、
バレル同様、まずはチップやフライトから見直すのをおすすめします。
フライト:空気の壁をコントロールする
フライトの大きさや形は、空気抵抗=減速の度合いに関係しています。
-
大きいフライト(シェイプ、スタンダード):空気抵抗が大きく、減速しやすい→山なりに飛ばしたい人向き
-
小さいフライト(スリム、ティアドロップ):空気抵抗が少なく、直線的に飛ばしやすい
フライトの重さも、意外と影響があります。
-
約0.6g〜0.9gが一般的
「飛び方が変わった」「刺さり方が変」と感じたとき、フライトの形や重さを見直すと改善するかもしれません。
パーツの中で最も消耗・破損しやすいので、破れて空気抵抗が変わってしまう前にこまめに取り換えるのをおススメします。
筆者の主観ですが、ディンプルフライトは、素材が薄そうに見えて投げ続けても意外と破れにくい印象でした。
チップ:ダーツが刺さらないときはまずチェック!
チップは、飛びや刺さり方に影響を与えることがあります。
たとえば、コンドルチップ アルティメットは全長31mmのロングチップで、
- 盤面への到達が早く、飛びの感覚が伸びやかになる
- 長さにより、グルーピング時の干渉を避けやすい
- しなりが大きくなり、2〜3本目のダーツが“乗りやすく”なる
- 指をかけやすく、グリップが安定しやすい
こうした特徴から、「刺さりやすさ」「飛びの安定感」「グルーピング性」などを求めるプレイヤーに愛用されています。
ダーツがうまく刺さらない、飛びが気になるという方は、フライトやバレルだけでなくチップも一度見直してみるのがおすすめです。
【ダーツが刺さらない!】お金をかけずに改善する方法5選の記事でも、ダーツが刺さらないときにすぐにやるべき方法を書いていますのでよろしければご覧になってください。
ダーツ各パーツの特徴と影響まとめ(重さ・形状・飛び方への影響)
※本記事にはプロモーションが含まれます。
【PR】商品名をタップすると気になる商品のページにリンクします。(リンクしても直ちに購入とはならないのでご安心ください。)
パーツ | 特徴 | おすすめ(画像) | ご購入はこちら |
---|---|---|---|
バレル | 手に触れるメインのパーツ。重さや形状で飛びが大きく変わる | ![]() |
TRiNiDAD PRO LAZY 松吉輝宗モデル |
シャフト | 長さと素材で飛びが変化 | ![]() |
L-style エルシャフト ストレート |
フライト | 空気抵抗で軌道が変化 | ![]() |
L-Flight EZ(エルフライト イージー) ディンプル スタンダード ![]() |
チップ | 重心や刺さり角度に影響 | ![]() |
CONDOR TIP ULTIMATE |
ダーツセッティング見直しのステップ
ステップ1:現状のセッティングを記録する
まずは今のダーツのセッティングと、投げたときの感覚・スコアを記録しましょう。理屈だけではなく、「感覚」と「結果」の両方を大切にします。
スマホでダーツ全体の画像を撮り、パーツ毎の商品名をメモしておくことで、
変えたパーツが合わなかったときに、初めからやり直せます。
また、エスダーツのサイトに、セッティングシミュレーターというツールがあるので、
今のセッティングを入力して保存しておくこともできます。
ステップ2:一か所ずつ変える
すべてを一気に変えると、何が影響したのかわからなくなります。
1回の調整でパーツを1か所だけを変えて、感触と飛び方を観察しましょう。
最低カウントアップ5回分=100回試し投げすると、より自分の中に正確なデータをインプットできます。
ステップ3:ダーツスローと照らし合わせる
自分のスローの特徴(リリースの速さ・弧の角度・飛ばし方)と、ダーツセッティングの相性を確認。
たとえば「手先で飛ばすタイプ」は短めのシャフトが合う、など。
自分のフォームに合ったダーツのセッティングとは?
結局ダーツのセッティングに正解はありません。だからこそ、
「今の自分のダーツの投げ方やフォームに合っているか?」という視点が大切です。
たとえば、肘が高めでリリース時に上から下へ押し出すフォームの人は、
シャフトやフライトが短すぎると、矢が沈んでしまうことがあります。
逆に、肘が低くて山なりの軌道になりやすいのが嫌!という人は、
軽量バレル+小さめフライトのほうが鋭角に飛びやすい場合もあります。
ここで大事なのは、「理屈」で考えること。
- 「今の矢の飛び方がどうなっているのか?」
- →「なぜそうなるのか?」
- →「どんなパーツを試すべきか?」
と順序立てて考えると、自分に合うセッティング(=限りなく正解)に近づけます。
たとえば、
矢が沈むのが気になっていたとき、
「腕の角度が低いのかな?」と思っていたが、実はフライトが小さすぎて浮力が足りなかっただけだった。
そこでスタンダードフライトに変えたら、すぐに矢の軌道(放物線)が安定。
いったんダーツがターゲット上を通って、最後にターゲットに落ちやすくなって改善した。
こういうケースだと、
ダーツは放物線を描き、狙ったところよりも上に飛んでから、矢先から落ちていくものということを見落としていた上、
小さいフライトのせいで放物線の角度を稼げず、狙ったところよりも下に落ちてしまっていた、ということになります。
だから、フライトだけをスタンダードに変えたことが正解だったんですね。
ダーツセッティング別おすすめ例
ここでは、よくある悩みに対しておすすめのセッティングを紹介します。
参考程度に、自分の今の状態に近いタイプを探してみてください。
① とにかくブルに集まらない/矢がバラける人
- バレル:20g以上、重心はセンター寄り
- シャフト:ミディアム〜ロング(38mm〜48mm)
- フライト:スタンダード、カイトなど浮力のあるタイプ
→ この組み合わせは「安定感」を優先しているので、ミスをカバーしやすくなります。フォームに自信がなくても矢が真っ直ぐ飛びやすく、自然とグルーピングが整ってくるはずです。
② 矢のスピードが遅くて山なりになってしまう人
- バレル:17〜19g、やや後ろ重心
- シャフト:ショート〜ミディアム(28mm〜38mm)
- フライト:スリム、シェイプなど小さめで抵抗少なめ
→ このタイプのセッティングは「鋭い飛び」を目指す人向け。
直線的な軌道になりやすいので、ブルやトリプルを狙いやすくなります。
ただし、リリースが安定していないと暴れやすいため注意。
まとめ|ダーツのセッティングを味方につけよう
ここまで読んで、「ちょっとダーツのセッティング見直してみようかな」と思ってもらえたらうれしいです。
筆者もBフライトだった頃、セッティングのことは「沼」だと思って避けていました。
でも、ある日「今の飛びって、道具と噛み合ってないだけかも」と気づいて、少しずつ変えていったら…気づいたらAフライトに届いていました。
もちろん、ダーツにはフォームやメンタルも大切です。そして、ダーツのセッティングは自分を助けてくれる“味方”です。
何から変えたらいいか分からないときは、
- ① フライトを1つ変えてみる
- ② シャフトの長さを変えてみる
- ③ それでも改善しなければ、最後にバレル
という順番でセッティング調整することをおすすめします。
そして何より大事なのは、「考えながら変えること」。
なんとなく、ではなく、「なぜこう飛ぶのか」「どうすれば良くなるか」を考える癖をつけていくことで、ダーツの成長スピードはグッと加速していきます。
焦らなくて大丈夫。自分に合ったセッティングが見つかったとき、ダーツがもっと楽しくなりますよ!
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