ダーツを投げる上で最も基本的な動作の一つが「グリップ」、つまりダーツの持ち方です。
グリップは、ダーツの軌道や安定性、ひいてはスコアにまで大きく影響します。
自分に合ったグリップを見つけることは、上達への第一歩と言えるでしょう。
このセクションでは、グリップの基本的な考え方と種類についてご紹介します。
ダーツのグリップ、なぜ重要?基本と種類を知ろう

グリップの基本「ダーツを支える2本の指」
ダーツのグリップには様々な形がありますが、どんなグリップであっても共通している大切なポイントは、ダーツを安定して支える**親指と人差し指の2本の指**を意識することなんです。
この2本の指でダーツをしっかりとホールドし、ダーツの重心を意識して挟むように持つのが基本となります。
・親指はダーツに推進力を与える役割
・人差し指はダーツの方向性を決める重要な役割
を果たします。
中指や他の指は、人差し指や親指の邪魔をしないように、あくまで軽く添える程度に使うのが良いとされています。
この2本の指を意識することで、ダーツが不必要にブレたり、指から不自然に離れたりするのを防ぐことができます。
グリップに「これぞ正解!」という絶対的な形はありませんが、あなたが一番ダーツをスムーズに、そして安定して投げられる形こそが、あなたにとってのベストグリップなんです。
色々な持ち方を試しながら、しっくりくる感覚を探してみてくださいね。
主要なグリップ一覧:あなたは何フィンガー?
ダーツのグリップは、主にダーツに触れる指の本数によって分類されます。
自分にぴったりのグリップを見つけるためには、まず一般的なグリップの種類とその特徴を理解することがとても大切です。
指の本数が変わるだけで、ダーツへの力の伝わり方やリリースの感覚が大きく変わってきますからね。
ここでは、代表的な「フィンガーグリップ」について詳しく見ていきましょう。
それぞれのグリップが持つ特性を知ることで、あなたが試すべきグリップのヒントが見つかるかもしれません。
また、様々なグリップの具体的な形やバリエーションについては、こちらのサイトも参考にしてみてくださいね。
より多くの視点から、あなたに合ったグリップの形を探る手助けになるはずです。
2フィンガーグリップの特徴とメリット・デメリット
- 特徴:
親指と人差し指の2本でダーツを支える、最もシンプルでミニマムなグリップスタイルです。
他の指はダーツに触れないか、軽く添える程度で、ダーツとの接点が少ないのが特徴です。 - メリット:
- 指の関与が少ないため、ダーツへの余計な力の伝達が起こりにくく、素直な軌道でダーツが飛びやすい傾向があります。
- リリースが非常にスムーズに行いやすく、ダーツに不必要な回転がかかりにくいのも大きな利点です。
- グリップに力みが生じにくく、リラックスして投げられるため、長時間投げても疲れにくいという声も聞かれます。
- デメリット:
- ダーツを支える指が少ないため、安定性に欠ける場合があり、慣れるまではダーツが左右にブレやすいと感じることがあります。
- ダーツを支える指が少ないため、コントロールが他のフィンガーグリップに比べて難しいと感じることもあり、ダーツの重さやバランスによっては、安定させるのに時間がかかるかもしれません。
3フィンガーグリップ(正しい形)の安定性と応用
「スリーフィンガー」と呼ばれるグリップは、親指、人差し指、中指の3本でダーツを支える、非常に一般的で多くのプレイヤーに選ばれているスタイルです。
しかし、一口に3本指と言っても、その持ち方には大きなポイントがあります。
正しいスリーフィンガーでは、親指と人差し指がバレルの同じ位置を挟むように配置されることが基本です。
これにより、ダーツに真っすぐな力が伝わりやすくなり、安定したスローが可能になります。
中指はあくまでチップに軽く添える程度で、親指と人差し指の邪魔をしないように意識することが大切です。
親指はバレルのカット(刻み)に真っすぐな力をかけ、人差し指がダーツの方向を決める役割を担います。
この正しいスリーフィンガーは、ダーツを3点でしっかりと支えるため安定性が高く、コントロールもしやすいというメリットがあります。
初心者から上級者まで、バランスの取れた投げ方を目指す方におすすめのグリップと言えるでしょう。
【注意】誤解されやすい「3点持ち」グリップの落とし穴
「スリーフィンガー」と混同されがちな「3点持ち」という言葉がありますが、これはダーツの持ち方としてあまり推奨されない形を指すことが多いです。
その主な理由は、親指と人差し指がバレルの異なる位置を挟んでしまい、いびつな三角形を形成してしまうことにあります。
この状態だと、ダーツに真っすぐな力が伝わりにくく、バレルが手の中で暴れやすくなったり、意図しない方向にダーツが飛んでしまう「暴投」の原因になったりする可能性があります。
ダーツを親指と中指で挟んでグリップすると、人差し指もバレルの違う位置に自然に設置することで3点持ちができやすくなります。
見た目には3本の指で持っているように見えても、ダーツに加わる力がバラバラになってしまうため、安定したスローが難しくなります。
もしご自身のグリップが「3点持ち」に近いと感じたら、親指と人差し指がバレルの同じ位置を挟むように意識し、中指はあくまで添える程度に留めるよう調整してみましょう。
4フィンガーグリップの安心感と注意点
- 特徴:
親指、人差し指、中指、薬指の4本でダーツをしっかりと支えるグリップです。
ダーツ全体を包み込むような形になることが多く、強い安心感が得られるのが特徴です。 - メリット:
- ダーツを4点でガッチリとホールドできるため、非常に高い安定感があります。ダーツが手の中でグラつくことが少なく、安心して構えることができるでしょう。
- ダーツが手から離れていく感覚を掴みやすく、リリース時の迷いが少ないと感じるプレイヤーも多いです。
- ダーツに伝える力をより分散させやすいため、特定の指に負担が集中しにくいという側面もあります。
- デメリット:
- 指の本数が多い分、リリース時の指の引っかかりや、ダーツに不必要な回転やブレが生じやすい傾向があります。
- ダーツに余計な力が加わりやすく、無意識のうちに強く握りすぎてしまい、力みにつながりやすいことも懸念されます。
- 繊細なコントロールがしにくいと感じるプレイヤーもいるかもしれません。
「グリップが決まらない」を解消!安定への近道はこれだ

「自分に合ったグリップが見つからない」「投げているうちにグリップがずれてしまう」といった悩みは、多くのダーツプレイヤーが経験することですよね。
せっかく練習しているのに、グリップが定まらないと、どうもモヤモヤしてしまいます。
でも、大丈夫!ここでは、グリップが決まらない主な原因を探り、あなたにとって安定したベストグリップを見つけるための具体的なヒントをご紹介していきます。
少しの工夫と意識で、あなたのダーツはもっと安定するはずです。
グリップが決まらない原因とチェックリスト
グリップが決まらないと感じる時、その原因はいくつか考えられます。
多くの場合、無意識の力み、指の配置のズレ、そしてダーツの持ち方への意識不足などが挙げられます。
まずは、ご自身のグリップを見直すためのチェックリストを試してみてください。これらの項目に心当たりがないか、一つずつ確認していくことが大切です。
また、可能であれば、ご自身のスローフォームを動画で撮影し、客観的に見てみるのも非常に有効です。
プロのフォームと比較しながら、どこが違うのか、どのように改善できるかを分析してみましょう。
例えば、YouTubeなどで「ダーツ グリップ 安定」と検索すると、多くの参考になる動画が見つかりますよ。
グリップの力加減:ダーツは「握る」より「はさむ」意識で
ダーツのグリップにおいて、一番と言っていいほど大切なのが「力加減」なんです。
多くの方がダーツを「しっかり握らなくちゃ」と思いすぎて、ついつい強く握ってしまいがちですが、
これが実は力みを生み、スムーズなリリースを妨げる大きな原因になっています。
ダーツは、野球のボールのように強く握って投げるものではありません。
理想は、ダーツを「握る」というよりも、指先で「そっとはさむ」ような、ごく軽いイメージを持つことです。
テイクバックの時はダーツの重さを指で感じながら、本当に最小限の力で支えることを意識しましょう。
この「はさむ」意識(テイクバック時には親指の腹の上に矢が乗っている)を持つことで、指が硬くならず、ダーツが指から自然に、まるで滑り落ちるかのように離れていく感覚を掴みやすくなります。
力まず、リラックスしてダーツを扱うことが、安定したスローへの近道ですよ。
親指の役割が肝心!安定を生む親指の使い方
グリップの中で、親指はダーツの安定性を大きく左右するとても重要な役割を担っています。
親指の使い方が適切でないと、他の指でダーツを無理に支えようとして力みが生まれたり、ダーツが不安定になったりすることがよくあります。
理想的なのは、親指をダーツの側面、あるいは下部に添え、ダーツの重心をしっかりと「支える」ように意識することです。
ここで大切なのは、親指の腹でダーツを「押さえつける」のではなく、あくまで優しく「支える」イメージを持つことです。
親指が安定していれば、他の指も自然な形でダーツに添えることができ、全体として力みの少ない、バランスの取れたグリップが実現します。
親指一つで、ダーツの安定感が劇的に変わることもあるので、ぜひ意識して試してみてください。
浅いグリップと深いグリップ、どちらがあなた向き?
ダーツのグリップには、ダーツを指の比較的浅い部分で持つ「浅いグリップ」と、指の深い部分、手のひらに近い部分で持つ「深いグリップ」があります。
これらはどちらが良いというものではなく、それぞれのスタイルにメリットとデメリットがあり、プレイヤー個人の好みやダーツの投げ方によって向き不向きがあります。
浅いグリップは、指の自由度が高く、リリース時のダーツへの干渉が少ないため、スムーズなリリースがしやすい傾向にあります。
ただし、支える面積が少ないため、安定性を保つのが難しいと感じる人もいます。
深いグリップは、ダーツを指のより深い部分でしっかりとホールドできるため、安定感があります。
しかし、指の引っかかりが生じたり、リリースの際にダーツに余計な回転や力が加わってしまう可能性もあります。
どちらのグリップがあなたに合っているかは、実際にダーツを投げてみなければ分かりません。
両方の持ち方を試してみて、最もコントロールしやすく、心地よいと感じる位置を見つけることが大切です。
焦らず、色々と試行錯誤を重ねてみてくださいね。
プロのグリップからヒントを得る!あなたに合ったフォームを見つけよう
ダーツの世界には、驚くほど多様なグリップを持つトッププロダーツプレイヤーがたくさんいます。
彼らのグリップを参考にすることは、あなた自身のグリップを見つけ、さらに洗練させていく上で非常に大きなヒントになるはずです。
ただ単にプロの形を真似するだけでなく、「なぜその形で投げているのか」「そのグリップにはどんな意図があるのか」という視点を持って観察してみましょう。
例えば、彼らの力の伝え方、リリースの瞬間の指の動き、ダーツの軌道、そして構え方など、細部に注目することが大切です。
様々なプロのグリップを見ることで、きっとあなた自身のダーツの持ち方や、グリップの微調整方法に関する新しいアイデアがひらめくことでしょう。
彼らの投げ方からインスピレーションを受けて、あなただけの最高のグリップを見つけてくださいね。
グリップを固めるための練習方法と心構え
理想のグリップが見つかったら、それを「自分のもの」にするための練習が不可欠です。
どんなに良いグリップを見つけても、体に馴染んでいなければ効果は半減してしまいますからね。
一番の練習方法は、とにかく繰り返し同じグリップでダーツを投げることです。
そうすることで、あなたの指が自然とその形を覚え、無意識のうちに安定したグリップができるようになります。
もう一つ大切なのが「心構え」です。焦らず、少しずつ修正を加えていく忍耐力が必要になります。
もし、練習中にグリップがしっくりこないと感じる時があっても、すぐに別のグリップに変えるのではなく、ある程度の期間は同じグリップで投げ続け、感覚を掴む努力をしてみましょう。
具体的な練習方法としては、以下のようなことを試してみてください。
・毎日少しの時間でも良いので、同じグリップで投げ続けること。
・鏡で自分のグリップを確認すること。
・実際に投げているフォームを動画で撮影し、分析すること。
・最終的には自分が一番投げやすいと感じるグリップを信じること
です。
ダーツのグリップは奥深く、正解がないからこそ面白い部分でもあります。
この記事が、あなたにとって最高のグリップを見つけ、ダーツライフをさらに楽しむ一助となれば幸いです。頑張りましょう!
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