「練習しているのに、なかなかアベレージが上がらない…」
「安定しないのは、どこかに無駄な力が入っている気がする…」
「雑誌や動画で『ダーツは脱力』って聞くけど、具体的にどうすればいいかわからない」
アベレージが60〜80あたりで伸び悩むBフライトで、この「脱力」という壁にぶつかることが多いです。
しかし、ご安心ください。脱力は才能ではなく、誰もが習得できる技術です。
この記事では、ダーツの脱力とは何か、具体的なダーツの脱力方法、そして効果的なダーツの脱力練習法までを徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたのダーツは劇的に変化しているはずです。
なぜ脱力が必要なのか?中級者が陥る罠と脱力3つのメリット
![Practice] Three tips and points for deactivating with darts.](https://bflight-darts-know.com/wp-content/uploads/2025/03/Three-tips-and-points-for-deactivating-with-darts-1024x559.jpeg)
ダーツは力で飛ばすスポーツではありません。
力んでしまうと、無意識のうちにフォームが崩れ、狙ったところへ投げられなくなります。
脱力は、単に「力を抜く」ことではなく、「必要なところにだけ、必要な分だけ力を入れる」状態を作り出すことです。
脱力できないのはなぜ?力が入りすぎる3つの原因
- ①「飛ばそう」という意識が強すぎる:
ダーツを狙った場所に届かせようと、腕や肩に余計な力が入ってしまいます。特に遠いと感じるトリプル20などを狙う際に顕著です。
結果、肘が伸びきらなかったり、手首が不自然に固まったりと、スムーズな腕の振りができなくなります。腕全体が「重い棒」のように本来のしなやかさが失われている状態です。 - ②「当てよう」という意識が強すぎる:
緊張や集中によって、グリップが硬くなったり、手首が固まったりします。試合やクリケットのダブルアウトなど、ここぞという場面で力が入り、指の感覚が鈍くなってしまいます。このとき、ダーツのリリースポイントがずれてしまい、毎回同じ軌道で投げることが困難になります。 - ③「まっすぐ投げなきゃ」という意識が強すぎる:
ダーツをまっすぐ飛ばそうとするあまり、肘や手首の柔軟性が失われ、ロボットのような不自然な動きになってしまいます。ダーツの軌道は、放物線を描くのが自然な形です。無理にまっすぐ飛ばそうとすると、無意識に腕全体に力が入ってしまい、かえってコントロールを失います。
これらの意識が、フォームを崩す最大の原因です。脱力を意識することで、体が自然に動き、リラックスした状態で投げられるようになります。
脱力すると得られる3つのメリット
脱力ダーツを身につけることで、以下のようなメリットがあります。
- ①再現性の向上:
無駄な力が入らないため、毎回同じフォームで投げやすくなります。力が抜けていれば、体の動きは重力と慣性に任せられます。これによって、フォームが安定し、狙った場所への精度が格段に上がります。アベレージ80を超えるプレイヤーは、この再現性が非常に高いのです。 - ②スタミナの持続:
腕や肩への負担が減り、長時間投げても疲れにくくなります。力んで投げることは、全身の筋肉を酷使することと同じです。しかし、脱力して投げれば、必要な筋肉だけを効率的に使えるため、疲労の蓄積を抑えられます。特に、ダーツバーでの練習や大会など、長時間投げ続ける際には、この違いが勝敗を分けます。
- ③コントロールの向上:
指先の感覚が鋭くなり、ダーツに意図した回転や軌道を与えやすくなります。
力が抜けていることで、ダーツが抜けるような感覚も調整できます。繊細なコントロールが可能になり、グルーピングも改善されます。
アベレージ80(=Aフライト)を超えていくには、同じフォームで投げ続けられる再現性が不可欠です。脱力は、再現性を高めるための基本と言えます。
【実践】ダーツで脱力するための3つのコツとポイント

「頭ではわかるけど、どうすればいいの?」そう感じているあなたのために、具体的な脱力のためのコツを3つ紹介します。
コツ1:ダーツの手や指(=グリップ)を脱力
グリップは、脱力の最初の関門です。グリップが硬いと、その時点で腕全体に力が入ってしまいます。
- 確認方法:
ダーツを構えたときに、指先が白くなっていませんか?また、グリップに跡がつくほど強く握っていませんか?
- 改善方法:
- ダーツを鷲掴みにするのではなく、指の腹で優しく包み込むように持ちましょう。紙飛行機を持つような優しいイメージです。
- ダーツが落ちない程度の、最小限の力で持つことを意識します。最初は違和感があるかもしれませんが、この「落ちそうで落ちない」感覚こそが、適度な脱力状態です。
- グリップに迷ったら、少しずらしたり、指を一本減らしたりして、自分に合った「楽な持ち方」を探すことが重要です。
コツ2:テイクバックは肩と手首の力を抜く
構えた時にすでに力が入っていると、その後のスローイングも力んでしまいます。ダーツのテイクバックでの脱力は重要なポイントです。
- 確認方法:
構えた時に肩が上がっていたり、肘が不自然に張っていませんか?
- 改善方法:
- 構える前に、一度肩をストンと落とすようにリラックスさせます。肩甲骨を意識して、背中全体で構えるようなイメージです。
- 腕全体をぶら下げるように、重力に任せる意識を持ちましょう。
- テイクバックの際、手首はできるだけ力を抜いて、自然にダーツが垂れ下がるようにします。手首を固めると、肘が支点にならず、腕全体でダーツを「引っ張る」動きになってしまいます。
- 鏡を見ながら、自分のフォームを確認するのも効果的です。特に、横から見たときに肩と肘が一直線になっているか確認してください。
コツ3:ダーツの脱力しすぎは良くない?
「力を抜く」と聞くと、何もかもをダラッとさせることだと勘違いしてしまうことがありますが、ダーツの脱力しすぎも逆効果です。
- 確認方法: ダーツがボードに届かない、または不安定な軌道で飛んでいませんか?
- 改善方法:
- 脱力は、単に力を抜くことではありません。「必要なところにだけ、必要な分だけ力を入れる」状態を目指しましょう。
- ダーツを放つ瞬間だけ、指先を使って軽く押し出すイメージです。
- フォームを崩すような力みはNGですが、ダーツを前に飛ばすための最低限の力は必要です。力がなさすぎると、ダーツが失速し、ボードに届かなかったり、変な方向に飛んでいったりします。
今日からできる!脱力に効果的な練習メニュー3選

理論がわかったところで、実践あるのみです。自宅やダーツバーで簡単にできる練習法を3つ紹介します。
練習1:ダーツを紙飛行機だと思って投げる
「ダーツを飛ばす」という感覚が、無意識に力みを生んでしまうことがあります。
そこで、ダーツを紙飛行機だと思って投げてみましょう。
紙飛行機を飛ばすとき、あなたは腕全体に力を込めますか?いいえ、軽く指先で押し出すようにして、スッと投げますよね。
ダーツも同じです。ボードに当てることや、ブルに入れることは一旦忘れて、まるで紙飛行機を遠くに滑空させるように、優しく、なめらかにダーツを放ってみてください。
この練習で、「飛ばそう」という力みから解放され、自然な腕の振りを体感できます。
実は、ダーツはイメージによって飛び方がかなり変わるものなのです。
練習2:至近距離からボードに当てる
ボードのすぐ目の前(1m程度)に立ち、ダーツがボードに当たるだけの力で投げてみましょう。
この距離では、力を込めるとダーツが勢い余ってボードに刺さりません。 「本当に届くの?」と思うくらいの弱い力で、優しく投げてみてください。
この練習で、ダーツを「飛ばす」のではなく、「ボードに置く」感覚を養うことができます。
練習3:あえて「力んでから」脱力する
次はあえて、全力で力んで投げてみましょう。 腕や肩がパンパンになるまで力を込めて、フォームがどう崩れるか、ダーツがどこに飛んでいくかを確認します。
その後、力を抜いた状態で同じように投げてみてください。
力んだ時と脱力した時の差が明確になり、「脱力することの重要性」を体で実感できます。
まとめ|リラックスするほどダーツが飛んでいく不思議
この記事で紹介した「脱力」は、一朝一夕で身につくものではありません。しかし、意識して練習を続ければ、必ずあなたの技術になります。
- グリップ: 鷲掴みにしない、最小限の力で持つ。
- テイクバック: 引きすぎず、スムーズに。
- スロー: 振り子のように、優しく置くイメージで。
まずは、グリップから。そして構え方、投げ方へと、一つずつ丁寧に改善していきましょう。
「もっと楽に投げられるはず」という意識を持つことが、脱力への第一歩です。
焦らず、自分のペースで練習を続けていけば、必ずアベレージ80の壁を越えられます。
次のダーツが、あなたのベストスローになることを願っています。
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