「ダーツがなかなか上達しない…」「フォームが安定しない…」
もしあなたがそう感じている原因の1つは「テイクバック」にあるかもしれません。
アベレージ60〜80前後の中級者は、テイクバックに正解を求めすぎて、かえって自分の投げ方を見失いがち。
この記事では、ダーツ中級者がテイクバックの悩みを解決し、次のステージへ進むための本質的な考え方と、今日から実践できる具体的な練習法を解説します。
なぜテイクバックで悩むのか?中級者が陥る3つの罠

ダーツがうまく飛ばない、フォームが安定しない。その根本原因は、実はあなた自身が作り出しているかもしれません。
まずは中級者が陥りがちな「3つの罠」を見ていきましょう。
テイクバックの「正解」を探しすぎていないか?
多くのプレイヤーがYouTubeやプロの動画を見て、「この人のテイクバックが正解だ!」と思い込みがちです。
しかし、体の柔軟性、骨格、癖は人それぞれ。
プロのテイクバックを真似しようとしても、あなたにとってベストな形とは限りません。
- 陥りやすい思考:
- 「もっと深く引かないとダメだ」
- 「肘を固定しないといけない」
- 「まっすぐ後ろに引けていない」
こうした考えが頭を支配すると、本来の自然なフォームが失われ、投げることが「作業」になってしまいます。
テイクバックに「絶対的な正解はない」ということを理解することが、上達への第一歩です。
腕の力に頼り、肘が下がってしまう
ダーツを安定して飛ばそうとすると、無意識のうちに腕の力に頼ってしまうことがあります。
特にテイクバックの際に、腕全体でダーツを引っ張ってしまうと、肘が不自然に下がってしまう原因になります。
肘が下がると、ダーツの軌道がブレやすくなり、狙った場所に投げることが難しくなります。
フォームを「腕の力で制御」するのではなく、「体の使い方」でコントロールする意識が大切です。
テイクバックの深さにこだわりすぎている
テイクバックは、深い方が良いというイメージを持っている人も多いかもしれません。
確かに深く引くことでダーツに勢いをつけやすくなりますが、それは同時にフォームのブレに直結します。
- テイクバックが深すぎると…
- 引き戻す動作でフォームが崩れやすい
- リリースポイントが安定しない
- スローのテンポが遅くなり、リズムが狂う
テイクバックの深さは、あくまでもあなたにとって最も安定して投げられる「最適な位置」を見つけることが重要です。
テイクバックの悩みを解消する!今日からできる練習法

ここからは、あなたのテイクバックの悩みを根本から解決するための具体的な練習法を紹介します。
単なるフォームの修正ではなく、あなたの感覚を磨くための方法です。
まずは理想の「引きしろ」を見つける
無理にプロのフォームを真似るのではなく、あなたが最も安定して投げられる「引きしろ」を見つけることから始めましょう。
- 練習方法:
- ダーツを構え、肘を固定したまま、手首だけで少しだけ引いて投げてみる。
- 次に、少し腕を引いて投げる。
- さらに、いつもより深く引いて投げる。
- この3パターンをそれぞれ10本ずつ投げ、最も狙った場所に飛んだ時の「引きしろ」を覚えてください。
この練習で、あなたにとって最適なテイクバックの深さを探っていきます。
「このくらい引けば、力が伝わる」という感覚を体に覚えさせることが目的です。
テイクバックできない・引けない人へ。ダーツの持ち方とテイクバックの位置
「そもそもテイクバックができない」
「ダーツをまっすぐ引けない」
という悩みは、ダーツの持ち方(グリップ)やテイクバックの開始位置が原因かもしれません。
- グリップ:
ダーツを握る力が強すぎると、腕や手首が硬直し、スムーズに引けなくなります。
「卵を持つように優しく」を意識してみましょう。 - テイクバックの位置:
テイクバックは、顔の横や顎の下など、自分が最も自然に構えられる場所から始めるのが理想です。無理に顔から離したり、逆に近づけすぎたりしないように注意しましょう。
【テイクバックなし】を試して感覚をリセットする
テイクバックに悩みすぎている人は、一度テイクバックを完全にやめてみるのも有効です。
- 練習方法:
- ダーツを構えたら、そのまま手首のスナップだけで投げてみる。
- 最初はこの投げ方ではうまく飛ばないかもしれませんが、この練習で「テイクバックがなくてもダーツは飛ぶ」という感覚を掴むことができます。
テイクバックは、あくまでもダーツに「勢い」をつけるための動作であり、必須のものではありません。この練習でテイクバックの呪縛から解放され、よりシンプルに投げる感覚を取り戻しましょう。
スローモーションで自分のフォームをチェックする
テイクバックのフォームを客観的に見ることは非常に重要です。スマホのカメラで自分のフォームを撮影し、スロー再生で確認してみましょう。
- チェックポイント:
- テイクバックの始点と終点: どこから引き始めて、どこまで引いているか?
- 肘の動き: 肘がブレていないか、下がっていないか?
- 手首の角度: 手首の角度が不自然に変わっていないか?
客観的に見ることで、自分では気づけなかった癖を発見できます。
テイクバックは「こめかみ」でもOK!
ダーツのテイクバックは、
「目の前に持ってくると邪魔に感じるから嫌だ」という人もいれば、
「目の前に持ってくる方が安定する」という人もいます。
この違いはフォームの個性であり、どちらが正しいというわけではありません。
もしあなたが「目の前に持ってくるのは嫌だ」と感じているなら、
「こめかみのあたりに持ってくる」というテイクバックは非常に有効です。
こめかみもまた、「一定の位置」であり、安定したフォームを作りやすい場所だからです。
- こめかみテイクバックのメリット:
- 視界の確保:
ダーツが目の前に来ないため、ターゲットを最後までしっかり見ることができます。 - 肘の安定:
肘を固定しやすく、軌道がブレにくくなります。 - スムーズなリリース:
構えからリリースまでの一連の流れが作りやすく、腕の振りを最大限に活かせます。
- 視界の確保:
自分の感覚を信じ、最も投げやすい位置を見つけることが上達への近道です。
肘が下がる・顔に当たる原因と修正法
「テイクバックをすると肘が下がる」「顔にダーツが当たりそうになる」
といった悩みは、フォームの修正が必要です。
- 肘が下がる原因:
- 腕の力に頼りすぎている:
腕全体でダーツを引っ張ろうとすると、肘が下がりやすくなります。 - テイクバックの「位置」が悪い:
構えの位置が低すぎると、引く際に肘が下がってしまいます。
- 腕の力に頼りすぎている:
- 修正法:
肘を肩の高さに保ったまま、手首と前腕だけでテイクバックするイメージを持ちましょう。壁に肘をつけて投げる練習も効果的です。 - 顔に当たる原因:
- 横向きになりすぎている:
ボードに対して体が横向きになりすぎると、テイクバックの際にダーツが顔に近づいてしまいます。 - 引く軌道が内側すぎる:
無意識に顔のほうにダーツを引いてしまう癖がついている。
- 横向きになりすぎている:
- 修正法: 構えの段階で、ボードに少し正対するように立ち、引く軌道を意識的に顔の横から外側にずらすイメージを持ちましょう。
テイクバックの速さ(ゆっくり・早い)は意識するべき?
テイクバックのスピードは、意識的にコントロールするものではありません。
最も重要なのは、あなたにとってのリズムとテンポを一定に保つことです。
- ゆっくりすぎる:
テンポが遅くなると、フォームが不安定になり、ダーツに力が伝わりにくくなります。 - 早すぎる:
焦って投げると、フォームが崩れ、狙いが定まりにくくなります。
プロのように「一瞬で引いて投げる」人もいれば、「ゆっくりと丁寧に引く」人もいます。あなたが最も自然に投げられるスピードを見つけ、それを毎回再現することを意識しましょう。
テイクバック後の「静止」時間をなくす
テイクバックの終点で一瞬止まってしまう人がいますが、これはフォームを不安定にさせる原因になります。
ダーツは「動」のスポーツです。構えからリリースまでの一連の動作を、止めずに流れるように行うことが理想的です。
- 練習方法:
- テイクバックが終わる直前から、すでにリリースの準備に入るイメージで投げてみる。
- 「引く」と「投げる」の間に間を空けないことを意識する。
リズムとテンポを体に覚えさせる
テイクバックの安定には、一定のリズムとテンポが欠かせません。
プロの動画を見て、「構え→引く→投げる」の一連の動作を、心の中でカウントしながら真似してみましょう。
- 例:
- 「イチ(構え)」
- 「ニ(引く)」
- 「サン(投げる)」
このシンプルなリズムを体に染み込ませることで、毎回同じタイミングでテイクバックできるようになり、フォームの再現性が高まります。
まとめ
ダーツのテイクバックは、あなたのパフォーマンスを大きく左右する重要な要素です。
しかし、正解を求めすぎたり、深く考えすぎたりすると、逆に上達の壁になってしまいます。
重要なのは「テイクバックを意識しない」こと。
- あなたに合った「引きしろ」を見つけること。
- リズムとテンポを体に染み込ませること。
- 絶対目の前に矢を持ってこなければならないと思い込むのをやめる。
- そして、テイクバックはあくまで「リリースをスムーズに行うための準備」であると理解すること。
この記事で紹介した練習法を試し、あなただけの自然な投げ方を見つけて、ダーツの「上達の壁」を突き破ってください。
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